李苺鈴のメモ&ブログ

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朝鮮日報『細かく計画された偏った傾向』

朝鮮日報『[선우정 칼럼] "세밀하게 계획된 편파적 경향" (細かく計画された偏った傾向)』

https://news.v.daum.net/v/20151014032204565

2015.10.14

 

(和訳)

1975年に衛星を宇宙に打ち上げた国は、米国とソ連しかなかった。その時、日本が「きく2号」という衛星を宇宙に打ち上げた。日本の船舶エンジン技術者たちがロケットエンジンの開発を始めたのがわずか6-7年前のことだ。このような日本がどうやって衛星を上げたのだろうか。米国のおかげだ。

 

両国は1969年、宇宙開発に協力する協定を結んだ。言葉だけが「協力」であって、実際には設計からソフトウェアまで米国が技術を提供した。この時学んだ技術で、日本は独自にロケットを打ち上げた。今、日本はロシア・米国に次ぐ多くの衛星打ち上げ実績を蓄積した。宇宙強国でありミサイル強国だ。

 

当時、財政難に陥った米ソは「ロケット販売で投資費を回収できないか」という算盤の玉をはじいていた。しかし、ミサイル技術に直結する特性のため、ロケット技術は金だけでは売れない。韓国が羅老号開発の時、米国に断られ、ロシアのロケットを2000億ウォンで購入した理由でもある。ところが、米国は欧州の友邦を抜いて日本に技術を与えた。何故日本を選んだのか。

 

数年前、日本のロケット開発を主導した五代富文博士に会った時、その理由を尋ねた。 「日本が自らロケットを開発することが明らかだったからだ」と述べた。技術があるから、米国が先に近づいてきたということだ。羅老号の打ち上げ失敗で悩んでいた時だった。気分を害した。本当に技術力が全てだったのだろうか。技術力がないため、韓国はいつも冷遇されているのか。間違った話ではないと思う。

 

だからといって完全に正しい話でもないだろう。先日、李承晩大統領の政治顧問を務めたロバート・オリバーが書いた本を読んでいる途中、李大統領の手紙の一節が気に入った。「軍需品さえ韓国より日本から調達するための継続的で細密に計画された偏った傾向が大きな問題です。」韓国の品物を置いて韓国軍が使用する物品まで日本から持ってくる米国の行動を批判したのだ。単に「日本製を好む風潮」を指摘したのではない。日本の復興の為に、米国が韓国の犠牲を求めているという構造的な問題に触れたのだ。

 

李大統領のこのような判断は、学者らによって事実として立証されている。米国が日本を「アジアのパートナー」として確固として選択したのは1950年代初めだった。日本の戦略的価値を考えれば文句をつけることではない。問題は、韓国が米国の援助資金で、韓国物資の代わりに日本物資を購入するようにしたことだ。李大統領にとってこのような戦略は、韓国経済を「抜け殻」にして日本に従属させることだった。このため李大統領は「反日」を武器に米国と激しく対立した。故キム・イルヨン元成均館大教授は李大統領の反日政策を「米国の日本中心政策構図に対する韓国の対応論理」と積極的に解釈する。

 

日本の戦闘機開発過程もロケットと同じ道を歩んでいる。日本は第2次世界大戦当時、世界最高の戦闘機を作った。この技術の芽を摘んだのが戦国米国だ。その米国が1987年、日本が国産戦闘機の開発計画を樹立すると、共同開発を提案した。この過程で日本は独自のレーダー技術を結び付けて「AESAレーダー空対空モード」も開発した。米国の移転拒否で、最近韓国で問題になっている4つの戦闘機技術の一つだ。F35導入でも日本は韓国より有利な位置に立っている。日本はライセンス生産を通じて移転されたF35技術を基盤に、ステルス戦闘機を開発する計画だ。ロケットがそうだったように、日本は今回も成功するだろう。そして、日本が成功すれば、私たちも成功しなければならない。

 

韓国はまず、技術力が足りない自分を責めるべきだ。日本のように技術があるなら、米国が先頭に立って手を差し出しただろう。しかし「だから韓国は不満を言う資格がない」という論理には納得できない。韓国も日本と同じ米国の同盟国だ。韓国は日本に劣らない戦略的価値を持ち、米国のためにジャングルでも血を流した。日本を復興させるための消費者の役割も耐えた。米国が望んだ日本の集団的自衛権の行使も、大きな反発なく容認した。米国が移転を拒否した4つの技術は重要だろう。しかし、米国が日本に提供した多くの技術に比べれば、それほど莫大なものでもない。

 

李承晩・朴正熙両大統領が偉大なのは米国の政策を韓国の国益に合わせて変えるのにあらゆる手段を活用したという点だ。実力がなければ説得し、説得が通じなければ頼み、事情が通じなければ「北進」と「自主国防」カードで果敢に状況を変えた。もちろん今韓米関係はそんなに殺伐とした時期ではない。しかし、必ずKF-X(韓国型戦闘機)開発事業を完結するという意志を米国に示し、韓国の戦略的価値

ふさわしい待遇を要求しなければならない。「中国傾斜論」を解明するようでは米国を動かすことはできない。

 

【終】

 

※冒頭に「きく2号」のエピソードが書いてますが、これ以前に日本は1970年(昭和45年)に初の国産人工衛星おおすみ」の打ち上げに成功しています。丁度大阪万博が開催された年です。